眠り姫に恋したのは年下御曹司

彼の策略

目が覚めていく。


飲み過ぎたのか体がダルい。


昨日は…………


ん?


ん?


タクシーから降りたけど飲んだ記憶がない。


ゆっくりと体を起こす。


ふかふかのベッドで寝ていたみたいだ。



「ん〜、飲み過ぎた。」


「片桐さん、起きました?」


「…………。」



聞こえてきた声に動きが停止した。


何か聞こえたような。


閉じていた目を開ければ、完全に脳も体も動きが停止する。


見たことのない景色が目に映り込んで来た。



「くくっ、くくっ、くくっ。」



聞こえてくる笑い声に視線を動かす。


驚きに目が見開くのが分かる。



「ふた……ば……さん?」


「おはよ、片桐さん。あっ、一緒に過ごした事だし、莉乃って呼んでもいいよね?」


「えっ?」


「一晩一緒に過ごしたんだよ、莉乃と俺。」


「…………。」



確かにそうだ。


一緒に過ごしたのは間違いないのは今の状況から理解できる。
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