【完】こちら王宮学園生徒会執行部
第2章 運命なんて、そんなもの

・灰色の美少年




◆ Side夕陽



目が覚めれば、知らない場所にいた。

……というのは気のせいで、強いて言うなら天井に見覚えがなかっただけ。



「ああ……、」



昨日歓迎会だったっけ、とまだ醒めていない頭の中でぼんやり考える。

まあ本当に歓迎会っていうのは名前だけで、ただただ騒いで遊んでた記憶しかないけど。



っていうか、ソファで寝たせいで肩や首が痛い。

起きようとソファに手をついて身体を起こせば、見据えた先でばっちり兄貴と目が合う悲劇。



ダイニングチェアに腰掛けて、呑気にコーヒーを飲んでる。時刻は8時前。

……なんであんな時間まで起きてたくせに平気な顔してんだこの人。



「何時にここ出んの?」



疑問系だったのに、なぜか感情の起伏を一切感じない平坦な話し方。

……俺の気のせいかもしれないけど。




「マネージャーに迎えに来てもらう」



「そ。シャワーは」



「……浴びる」



それだけ言ってリビングを出ると、勝手に部屋に足を踏み入れる。

とはいえなぜかある俺の部屋だから、別に勝手に入ってるわけじゃないけど。



「朝飯買ってきてやるけど。

なんか食いたいもんあんの?」



追うようにこっちに歩いてきた兄貴が、俺の部屋に顔を覗かせて。

クローゼットを開けている俺に聞いてくるから、「なんでもいい」とそっけなく返した。



反抗期と言われれば、たぶんそれまで。



< 81 / 276 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop