契約結婚なのに、凄腕ドクターに独占欲剥き出しで愛し抜かれました
シャワーを終えてリビングに戻ったら、ソファに座っていた悠さんが手招きをした。

「凛、こっちにおいで」

近づいていくと腕を引かれ、バランスを崩した拍子にそのまま悠さんの胸の中に倒れ込む。

「…ひゃっ」

そして悠さんは宣言通り、鼓動が伝わり合うくらいにぎゅっと私を抱きしめた。

私の肩まである髪を梳くようになでた悠さんは、耳もとに顔を寄せる。

「いい匂いだな、凛」

近すぎるスキンシップに心臓の早鐘がおさまらない。

それを悟られるのが恥ずかしくて、平静を装ってみる。

「…悠さんと同じシャンプーですよ?」

「そうか。じゃあ俺の髪も同じ匂いなのか」

悠さんは、そう言って指に絡めた私の髪の毛に口づけをする。

「でも、凛はやっぱりいい匂いだ。食べたいくらい」

「えっ」

「冗談だよ」

悔しいことに、私の動揺は完全に見透かされている。

悠さんはしたり顔をして私の頭をポンポンと撫でた。

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