買い物で荷物が増える前に、と、まずはショッピングビルに入っている洋食屋さんでご飯を食べることにした。

私も先生も季節限定のピッツァセットだ。

旬野菜にプロシュートの乗ったピッツァ。サラダとコーヒー。ミニデザートまでついてくる。

外食でも、先生は必ず

「いただきます」

と手を合わせる。

その仕草に毎回飽きずにキュンとしてしまう。

「…どうした?」

「いえ、悠さんはお行儀がいいなと思って…
外食でも、ちゃんといただきますって言うところ」

ああ、なんだか子供に対していうようなセリフになってしまった。

先生のほうが私より6歳も年上なのに、私ってば偉そうに…

「小さいころからの習慣が抜けないだけだ。
親父の内科医院は軽い糖尿病患者も診ていて、食べたいものを食べられない患者がいる中で、食事を摂れることに感謝しなきゃいけないっていう両親の考えの表われなのかもしれないな」

「…そう、なんですか…」

「…子供っぽいか?」

「いえ、最初に一緒にお食事に行った時から、先生のそういうところすごく素敵だなって思っていて…」

どうしよう。なんだか告白みたいになってしまった。

そんなつもりで言ったわけじゃないのに、意識すると火照ってしまう。

「…凜に気に入られてるなら、それは両親に感謝しなきゃいけないな」

先生は私の心の動揺なんて気づきもしないようにふっと笑った。