クリスマスは赤い誘惑
クリスマスは赤い誘惑
カタカタ、とパソコンで作業する傍らつい目で追ってしまう目の前の島になったデスク。その一席には、人には言えないけれど恋人が座っている。

基本的に仕事とプライベートはきっちり分けるタイプだし、彼との関係だって元々事情を知っている樫岡くん以外には悟らせないように気を配っている。
なのに、仕事中によそ見してしまうくらいには気にかかっていることがある。

実は最近、ご無沙汰だったり。

付き合い始めて早くも半年、仕事が忙しいながらも週一、少なくても二週間に一度はプライベートで会っていたし、会うと大体どちらかの家に泊まりになって当然夜は一緒に寝ていた。

だから、初めはまぁ疲れてるのかな、と思った。仕事も相変わらず忙しそうだし、そんなこともあるだろうと。

ところが、現在十二月も後半に差し掛かる今、最後にあったのは一ヶ月以上前になる。もちろんその間もほぼ週一で会っていたし、一緒にベッドに入って寝たりした。

したけど、ほんとに寝るだけ。

一体どうしてだろう。

佐野くんが何を考えているのか分からないのは今に始まったことじゃないけれど、さすがに不安になってくる。

「……!」

つい目が合いそうになって寸前で視線を逸らす。しまった、見すぎていた。繕うためにキーボードを叩きながら画面を見るのに集中した。しかし思考の一部はぐるぐると回り続けるだけ。

やっぱり私の年齢が気になり始めたとか。

若い子には到底敵わない身体に飽きたとか。

上司との恋愛なんてめんどくさくなったとか。

唐突に浮上する余計な考えについ眉間に皺が寄ってしまう。
今考えても仕方のないことだ。切り替えようと席を立ち上がって自販機のスペースに向かった。
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