お見合い結婚狂騒曲
「僕は君と一生を共にしたい。だから……OKの返事をくれないか」
「ーープロポーズのリベンジですか……」
「そうだ」

ーー苦手な男だったのに……フッと笑みが零れる。今はこの世で一番愛おしい存在かもしれない。

彼の唇に軽く唇を合わせ、「プロポーズ、お受けします」と返事をすると、彼の力強い腕が私を抱き締める。

「但し、万が一にも、私が子供の代わりに死ぬようなことがあっても、私の分身として、絶対に子供を可愛がって下さいね」

これだけは絶対だ。

「当然だ。僕と君の子だ。何があっても大切にする。何なら、今からそれを証明するために、子作りをしようか」

本気なのか冗談なのか、葛城圭介の瞳が怪しく光る。

「ーーだっだからですね、私たちはお見合い結婚なんですから、順序を守って正式な経路でお付き合い致しましょう」

焦って言うと、彼が呆れたように言う。

「君って本当に一筋縄ではいかない女だね。まぁ、そこが良いんだが、あまり長くは待てないからね」

そして、彼のこの言葉は現実のものとなった。
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