酔ったら、
酔ったら、



一年が過ぎ行くのは、実にお早いもので、巷は忘年会シーズンです。

そして、私たちもその一組なのです。



「今年も一年、お疲れさまでしたー!」

『お疲れさまでしたー』



近所の旅館の大きな広間を借りて、御祭り騒ぎをしている。

多くの人の大きな声が、そこらじゅうを飛び交い、もはや隣に会話をしている人の声も聞こえづらい。

そんな今の私は、早くも軽く頭がふわふわしている。

(おかしいな…まだチューハイ2本、空けただけなのに)

全身が脈打っている。



「大丈夫ですか?かなめ先輩、顔真っ赤ですよ」

「うん。大丈夫よ」



後輩の女の子は心配そうに、私を見つめる。
< 1 / 15 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop