クールな公爵様のゆゆしき恋情2
「それからあの夜寝室から出て行ったのは、あのままラウラの隣で寝たら手を出しそうな気分だったからだ。疲れて眠っているラウラを起したら悪いと思って隣の居間のソファーで眠った。誓って本当だ」

必死に訴えてくるアレクセイ様に、普段のクールな公爵様の面影は一切ない。

だけど、こうやって眉を下げて一生懸命私の心を開こうとするアレクセイ様が私は、大好きだ。

怒ってる顔をしているのも、もう限界。

顔をほころばせて、私はアレクセイ様にもたれかかった。

「もういいです。事情は分りましたから。それにアレクセイ様に悪気は無い事は分かっていたんです」

「え?」

アレクセイ様は唖然とした顔になる。

「分かっていてもヤキモチを焼いて怒ってしまうんです、アレクセイ様が好きだから」

私の言葉にアレクセイ様は固まっていたけれど、それから直ぐにぎゅっと身体を抱きしめられた。

「ラウラ……良かった」

「良かったって?」

「今朝の剣幕では、出ていかれるのかもしれないと思った。だから和解を急ぎ終わらせて直ぐにリンブルグに駆けつけたんだが……結果的に全て丸く収まって良かった」

アレクセイ様の腕の中は心地よい。

昼間恐い目に遭ったのに、今はもうすっかり安心している。

「アレクセイ様自ら地下まで助けに来てくれてありがとうございます」

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