午後からはアレクセイ様に同行して、リードルフ西部に位置する採掘場に視察に行く予定になっている。

予定外の話合いに時間を割いた為、ふたりで急ぎ昼食を取り、外出の支度をする。

と言っても支度に時間がかかるのは私だけ。

アレクセイ様は身軽で大した身支度を必要としない。

それなのにいつ見ても華やかで豪華な雰囲気を醸し出しているから、不思議になる。

着替えと化粧直しを済ませると、アンナと共にアレクセイ様が待っている馬車寄席に向かう。

そこには五人くらいの人の輪が出来ていて、アレクセイ様はその中心で何か報告を受けていた。

固い表情をしているので込み入った話なのかもしれない。だから立ち止まり様子を伺っていたのだけど、アレクセイ様が私に気付き、輪の中から抜けて歩み寄って来た。

「ラウラ、直ぐに出るが大丈夫か?」

「はい、お待たせしてしまってごめんなさい」

「いや、大丈夫だ。こっちへ」

アレクセイ様が私の手を取り、馬車へとエスコートしてくれる。

今日はアレクセイ様も馬車で移動するらしく、私に続いて乗り込んでくる。

アレクセイ様はあまり馬車での移動を好まないけど、私は結構好き。

ふたりきりでいろいろな話が出きるから。

「ラウラ奥様、お気をつけていってらっしゃいませ」

今回は留守番のアンナが、馬車の扉の前に立ち言う。

「行ってくるわ。留守番お願いね」

「はい、お任せ下さい」

アンナが胸を張って言う。

張り切ったその様子に私が小さく笑ったとき、アンナを押しのけるようにしてヘルミーネ様が馬車に乗り込んで来て、私とアレクセイ様の向かいの座席に腰をかけた。