わたしはあなたにときめいてます
「朝食を食べましょう。冷蔵庫に卵ありますか。目玉焼き作」

愛十の右手を包んでいた両手を外して、わたしはベッドから立ち上がり、ドアへと向かう。

わたしはドアノブを掴んで、ドアを開ける。


と、同時にお腹に巻きついてきたたくましい2本の腕…。


背中全体に感じる温もり……。

「愛十さん」

どうしたんですか……。

「笑顔……見せないでくれ……」

笑顔って……。

さっきのわたしの笑顔見たの?

『見せないでくれ……』って。

「分かりました。見たくないんですね」

わたしの笑顔って見たくないって思うほど、気持ち悪いの?

吉弘さんに見せてたけど、そんな事一度も言われた事ないけどな……。

「見たくないんじゃない……。見せないで欲しいんだ……。俺以外の…男に……」

あなた以外の…男?

「何故ですか」

何で、笑顔見せたらダメなんですか?

「香澄の笑顔が可愛すぎるから……。見せたくない……」

ドクン。

「わたしは可愛くないと思いますけど」

「可愛いんだよ……。可愛いすぎるんだよ……。
他の男が見たら、絶対に好きになる……」

ドクン。

「好きになりませんよ」

「絶対になる……」

「絶対になりません」

「分からないだろ……?」

「分かりますよ。なりませんでした」
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