ただいま冷徹上司を調・教・中!
「千尋、俺、結婚まで待てない」

「なにが待てないんですか?」

「離れるの。もう一緒に暮らしたい……」

可愛すぎる凱莉さんは、ベッドなコロンと横になり、グイッと私を引き込んだ。

「同棲は中途半端なんでしょ?」

「結婚することが決まれば、中途半端という言葉は予行練習という言葉に変換されると思う」

「物は言いようですね」

勝手に都合よく変換してくれちゃうほど愛されてる私を、私自身も愛しく感じてくるから不思議だ。

「それくらい俺は千尋を愛してる。俺には千尋しかいない」

「私も凱莉さんを世界で一番愛してます。一生そばにいさせてくださいね」

「当たり前だ。離れたら……許さない」

恋愛に傷付き絶望した私が欲したのは、誰が見ても完璧な恋人だった。

自分を恋愛不適合者だと悩んでいた凱莉さんが欲したのは、女心をリアルに教えてくれる仮恋人だった。

いつしか私達は互いに惹かれ合い、仮の恋人が本当の恋人になった。

そして今、恋人が永遠の愛に変わろうとしている。

私達はこれからも、二人で初めてを積み重ねながら進んでいくのだろう。

きっと躓くことだってある。

いいことばかりではないのもわかってる。

けれど私達には伝え合い、理解しようとする心がある。

気持ちをさらけ出して、伝えあって、支えあって。

たくさんの愛を育てていこう。

まるで神聖なる誓いの儀式のように、凱莉さんは私の胸元に口付けて、紅い痕を残した。

私も今この瞬間に誓おう。

世界一愛しいあなたに……生涯変わることのない愛を。

           ~END~
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