メールチェッカー 【1】

浮気らしきものを知ったのは、ひょんなことからだった。

つい出来心で、という言い訳があるがまさにそれが当てはまるだろう。


彼女が泊まりに来たある日のこと、いつもなら一緒に入る風呂が別々だったことがあった。


「生理中くらい一人で入りたいわ」


そう言われてしまうと、男としては何も言えなくなってしまう。

どちらかと言えば血は苦手な方の太田は、すんなりと引き下がった。




一人残ったリビングの、テーブルの上に放置されたままの彼女の携帯電話。

シンプルなストラップが一つ付いているだけの上品な携帯だ。

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