医者恋シリーズ 俺様ドクターのとろける独占愛
その顔は私にだけ



翌日、オペのため転院する航くんを、小児病棟のみんなで見送った。

無事手術が成功し、またここに戻ってくるのを待っている、と。

完全なお別れではないけれど、私はやっぱりうるうるきてしまって、天笠先生に「しっかりしろ」と苦笑されてしまった。


それから、数日後のこと……。


「えっ、本当ですか!」

「ああ、さっき連絡をもらった。経過も落ち着いていて、問題ないそうだ」


今日の勤務も残すは申し送りのみ。

そんな夕方の、ほっと一息をつく時間帯。

「白雪さん」といつも通り私に声を掛けてきた天笠先生から、航くんのオペが行われ、その経過報告があったと知らされた。


「良かった……」


それ以上の言葉が出てこない。

でも、じわじわと喜びが胸に広がっていくのを感じる。


「天笠先生、色々と本当にありがとうございました」

「いや、俺は直接オペに入ったわけじゃないからな。向こうのドクターが手を尽くしてくれた結果だから」

「そうなんですけど、他にも、色々とって意味です」

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