大江戸ロミオ&ジュリエット

「三年経ったら、おまえの好きにするがよい」

しばらくの沈黙のあと、彦左衛門は深いため息と共に告げた。この縁談が来て以来、少し老けたような気がする。


「志鶴は……『南町』へ参りまする」

志鶴は家族のみなに対して、平伏した。

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