溺愛本能 オオカミ御曹司の独占欲には抗えない
7、ウィンウィンの関係
「水無月楓です。今日から宜しくお願いします」

GW明けの月曜日、遥に連れられ彼の会社に初出勤した私は、配属先の総務部の面々の前でペコリと頭を下げた。

面々と言っても、三十代くらいのとびきりの美人と少年のような可愛い顔をした男の子、それと五十代の恰幅のいいおばさんの三人だけ。

会社は赤坂にあって、有名なオフィスビルの四十二階のワンフロアまるごとが遥の会社ENDlessのオフィス。

デスクが二百個ぐらいずらっと並び、圧倒される。

始業十分前の今は、半分以上席が埋まっていて、座っているほとんどが二十代から三十代の男性社員。

遥の話では営業やSEが多く、事務方の総務や経理は少ないらしい。

IT系ってそういうものなのかな。

役員にもさっき挨拶したけど、みんな遥ぐらいの年だった。


< 99 / 263 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop