御曹司の愛され若奥様~24時間甘やかされてます~
初恋の思い出!

突然唇を奪われ、情熱的な告白をされたあの日から……一週間……。


「いやーっ、よく来てくれたね日和! 一週間お前に会えなくて寂しかったよ!」


よく言う。私をあの別荘に送り込んだのは他の誰でもないあなたなのに。
と、言いかけた言葉は喉の奥へ飲み込み、目の前のお父様に「ああ、うん」と頷く。反論すればきっとしょぼくれてしまうから。


今日は土曜日。お父様が家にいるのを電話で確認してから、鏑木に迎えに来てもらい、一週間ぶりに実家に帰ってきた。
大和田さんも一緒に来たがっていたけれど、彼は今日も仕事があるらしく、私一人だ。

その方が都合が良い。だって、大和田さんがこの場にいたら話し辛いこともあるから。


「日和。陽平くんとは仲良くやっているかい?」

先週、突然結婚の話を持ちかけられた時と同じように、お父様の部屋でテーブルを挟んでソファに向かい合って座る。
心配そうに、でもどこか気恥ずかしそうに、複雑気な様子で尋ねてくるお父様に「うん、まあ……」と曖昧に答える。

仲良くない訳じゃない。大和田さんは良い人だし、一緒にいても案外気が楽だ。

でも、告白されてしまった。いや、結婚するのだから告白されても問題はないと思うのだけれど、いかんせん男性とほとんど関わってこない人生を送ってきた私は、異性に告白されたのは初めてで、あれからどうしても彼を変に意識してしまい、若干気まずい。

寝室はもちろん別だ。
お互いの部屋にはベッドはないものの、ベッド付きのゲストルームが二つ存在することが判明したため、お互いにそれぞれそこを使って就寝している。
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