その先へ
終章
「ママーただいまー」
「悠斗、ママにくっつく前に手洗ってうがいだぞ」
「はぁい」

玄関から愛しい声が聞こえて、そっと目を開ける。

「ママ、おひるねできた?」
「うん!ゆっくり寝ちゃった。悠くんは?パパと公園楽しかった?」
「パパとながーいすべりだいすべったんだよ。びゅーって」
「良かったねぇ」

ニコニコ顔の我が子の頬をなでると余計にニコニコし、

「あかちゃんもおきたかなぁ」

と私の膨らんだお腹に話しかける。

「あかちゃんもぼくとすべりだいしようね。ぼくがだっこしてすべってあげるんだ」
「いいなぁ。じゃぁ、ママは悠くんと赤ちゃんだっこして滑ろう」

可愛らしく、そして優しい我が子を抱き締める。

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