漢江のほとりで待ってる
偶然が紡いだ奇蹟~Eternal Love ~

クリスマスイヴの夜。

ホテルの最上階、スイートルーム。

そこに珉珠がやって来た。

ドアが開くと、蝶ネクタイをした由弦が出迎えた。

まるでホテルの総支配人のような恰好だった。

「どうしたの!?由弦、まるでホテルの人みたい」

驚く珉珠を余所に、

「お待ちしておりました。お嬢様」

そう言いながら、由弦は珉珠を中へエスコートした。

ダイニングルームの椅子を引き、珉珠を座らせると、シャンパンを開け始めた。

グラスに注ぎ、自分にも注いだ。

そして珉珠のグラスに傾け、

「メリークリスマス!」

慌ててそれを一気に飲み干した。

「これから、料理をお運び致しますので、飲みながら、少々お待ちください」

そう言うとキッチンの方へ消えて行った。

しばらくして、「まず前菜から」と、運んできたのは、スモークサーモンをバラのように飾ったサラダ。

そしてコンソメスープ、手作り感満載の、バターの風味漂う焼き立てパンと、珉珠の食べるペースを見計らって、次々と運んで来た。

「一口サイズの由弦オリジナルパスタです、あとメインはうちはお魚もお肉もお出し致します、食べきりサイズで」と言い、今度はワインを開け始めた。

「まかさこれ、全部由弦の手作り?」

「はい!今日のためにホテルにこもって、頑張って仕込みました!」

「素敵!」

珉珠は笑った。その笑顔で彼女がとても感動していることが伝わった。

「ありがとうございます」

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