クールな次期社長と愛されオフィス
部長付秘書。

そんな私が立場的に好きになってはいけない相手と思えば思うほどに気持ちが募っていく。

しかも宇都宮財閥のエリート息子で次期社長候補。

そんな相手と私がどうかなるわけがない。

住む世界が違い過ぎる相手だ。

首を横に振りながら、胸に手を当てる。

日曜の約束・・・。

私はこのまま気持ちに蓋をしてデートなんかできるんだろうか。

1週間後に迫る部長とのデートは楽しみでもあり不安でもある。

部長も、私なんかが想像しきれないくらいの生活をこれまでしてきた人。

到底私の理解が及ぶ範囲を超越しているはず。

こんな報われない恋心は早めにあきらめることが肝心だわ。

私はさっきの部長の手のひらの重さと熱さを思い浮かべながら、「ただの上司」と何度も繰り返し心の中でつぶやいた。

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