一途な御曹司に愛されすぎてます
「悠希さん……」

 キスの合間に彼の名を呼ぶ声が、自分でも驚くほど悩ましかった。

 私の声にピクリと反応した彼が、次の瞬間さらに熱いキスの雨を降らせる。

 きっと伝わったんだ。あなたを求める私の本当の気持ち。

 しっかりと彼の背中に両腕を回しながら、私は彼との出会いを思い出していた。


 初めて出会ったあの日、私はあなたの顔も名前もしらなかった。

 普通ならば出会うことすら叶わないほど身分違いの私たちは、まるで王子とシンデレラのようで。

 それでもあなたがくれたメッセージを、たしかに私は受け取ったの。


 あの雪の里で出会った特別な日から、きっと私たちはこうなる運命だった……。




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