ヴァンパイア・シュヴァルツの初恋
第五章◆アルバと犯人探し
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「………さま………アカリさま、アカリ様!」
「ん、んん……」
耳元で大きな声が響き、ぼんやりと目を開けると、私は床に倒れこむように眠っていた。
無意識に頬に触れたとき、カーペットの跡がついていると分かると、パッと顔を起こし、そこをこすった。
でこぼこ……。
昨日、リストを並べたまま寝ちゃったんだ……。
目の前に散乱している紙を見て、そう思った。
人間の姿に戻っているノア君が横から顔を覗き込んでおり、そのすぐ後ろにはシュヴァルツさんのブーツの脚が見え、私は慌てて体を起こし、手ぐしで髪を整えた。
「……アカリ、そこが寝床に見えたか」
「い、いえ、シュヴァルツさん、その……おはようございます」
シュヴァルツさんに手を差し伸べられ、その力を借りて立ち上がった。