不本意ですが、異世界で救世主はじめました。
【第四章 召喚条件と魔法闘技】
 王城に到着した日だけはゆっくり過ごせた。

 まゆこに魔法力があるという事実が出てきても、怖い夢を見ることになっても、表には出ていない。

 バーンベルグ家の内部、あるいはジリアンとまゆこの間だけで秘匿されている。

 誰も騒ぎ立てないので睡眠を長くとれた。

 しかし。

 翌日から予定された社交行事によって日々は一変する。

 慌ただしく過ごすせいで、悩ましく考えるにも時間がないというのはよかったかもしれない。

 昼間は遊びに費やされても、夜の催しは、家同士の関係が表面化する場としてどれほど華やかでも息を抜けない。
慣れていないまゆこは緊張することしきりだ。
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