BLUE GIRL

その後の物語



ーー10ヶ月後、


映画【BLUE GIRL】は無事に公開された。




公開初日から満席となり、異例の邦画大ヒットを記録する。




公開から2週間経っても、その人気に拍車をかけるばかりだ。



「うわ、カッコいい!」


来場者プレゼントとして、小さなメッセージカードを受け取る。


メッセージカードを開くと中からRyoの写真とメッセージが記され、下部にある15桁の番号を専用サイトに入力すると無料でRyoの楽曲ーー【BLUE GIRL】の主題歌を聴くことができるという仕組みだ。


ちなみに【BLUE GIRL】の主題歌のタイトルは、



『きみのいない明日へ』だ。



明日に向かう前向きな姿勢が描かれた、
アップテンポでエネルギッシュな歌だけれど、

どこか寂しさが漂うタイトル。


そしてユウの意図なのか、【BLUE GIRL】を見終えて『きみのいない明日へ』を聞くと、聴き手は連想するだろう。


主人公の海は、亡くなったのではないかと。




「どこがカッコいいんだ」


サングラスをかけて金髪の髪を揺らすユウが不機嫌そうに言う。


「え、この写真のRyo、よく撮れてるよね」


10ヶ月という月日が経っても、私たちは相変わらずです。

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