だったら俺にすれば?~オレ様御曹司と契約結婚~
俺と寝たがらない女なんて、存在するんだな
来週から梅雨が始まると、今朝のテレビのニュースで言っていた。
(梅雨が始まる前になんとか……いや、せめて梅雨が明けて、夏が始まる前にはなんとか……)
藤白玲奈(ふじしろれな)は、ピンクの唇を引き結んで、テーブルの前に座る四人の男性陣を見つめた。
今回の相手は、合コンの場のすぐそば、六本木にある企画会社の社員たちだった。年は玲奈のひとつ下の二十六歳から三十代前半まで。いかにもフレッシュマンから、業界人ぽいのまで、あれこれと揃っている。
けれど、年齢が近いとか、そんなことは、合コンの場においては話のきっかけにすらならないということを、玲奈は身をもって知っている。
今日で、今年の四月から数えて、十五回目の参加だった。
回数だけならすでに相当数こなしている。だが問題は、その経験がまったく、身についていないということだ。
(いくら口下手だからって、黙っていちゃダメだって書いてあったわ……えっと、なにか話題を……)
脳内で、合コンの前に読んだインターネットの記事を思い出す。確か趣味や、相手との共通点が見つかるような、地元ネタがいいと書いてあったはずだ。
(よし、まずこの人たちの出身地を聞いて――)
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