短編集 【ストーカー】
2017年8月13日 標的 親友
2017年8月13日 標的 親友
久し振りに帰ってきた生まれ育った街。
夏らしい快晴の日射しと共に、
今日も朝から元気よく蝉が鳴き声をあげる。
電信柱の影に立ちながら待っていると、
アパートの一室から親友が出てきた。
彼の名前は川越シュン。
出会いは幼稚園。
それからずっと仲良しの俺にとっての唯一無二の親友だ。
どちらかというと文化部系のカワシュンと、
運動部系の俺の仲が良いのが周りは不思議だったらしく、
よく“凸凹コンビ”なんて言われていた。
因みに、どうしてそうなったかは覚えていないが、
出会った時から俺は彼の事を“シュン”とは呼ばずに、
“川越”の“カワ”をその前にくっつけ、
“カワシュン”と呼んでいる。
そんなカワシュンとは、小学校から高校まで同じ学校で共に過ごした。
親同士も仲が良く、家族ぐるみで付き合いがあり、俺はカワシュンの全てを知っていると言っても過言では無い・・・。