大王(おおきみ)に求愛された機織り娘
「お願いがあります。」

「アヤの願いなら、なんでも叶えてやる。
なんだ?」

「時々でいいんです。
昨日みたいに、一緒に寝てもらえませんか?」

大王は驚いて、目を見張った。

「アヤ!?」

「あの、ほんとに時々でいいんです。
大王の腕の中が心地いいので…
あの…」

私は、言ってる自分が恥ずかしくなって、最後まで言えなかった。

「アヤ!
幾らでも寝てやる。
今日から、毎日でも。
ああ!! なんで、馬の上なんだ!?
これでは、アヤに口づけできないでは
ないか!?」

興奮した大王は、手綱を一振りし、馬を早駆けさせた。

私は落ちないよう、馬のたてがみに掴まるので必死だった。
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