クールな青山准教授の甘い恋愛マニュアル
「ここ数日お風呂に入ってなかったしな」
綾香がバスルームにいる間に寝室のシーツを交換するが、三十分立っても彼女は戻ってこない。
心配でバスルームに戻れば、もうシャワーの音はしなかった。
コンコンとドアをノックしながら「綾香?」と呼びかけると、彼女の声がする。
「……先生、力が入らなくて立てな……コホッ、コホッ」
「ごめん、入るよ」
一言断ってドアを開けると、パジャマ姿の綾香が床にへたり込んでいた。
髪はまだ乾かしていないのか濡れている。
「馬鹿だな。立てないなら呼べよ。せっかく熱が下がったのに悪化するぞ」
呆れ顔で言って、彼女を抱き上げてリビングに運んだ。
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