2月14日、勉強を教えてと礼を図書館に誘った

彼は首席でずっと成績もいいから、今までも度々勉強を見てもらうことがあった
だから特に不審に思われなくて済んだ

冬の日は短い

閉館ギリギリまでいた図書館を出ればもう太陽は沈んで薄暗く、
礼はいつものように「送ってくよ」と優しく微笑んでくれた


だから私は勘違いしてしまった

私自身ではもうこの恋は抱えきれなくて出口を求めて溢れ出す寸前だった

そこに向けられた礼の優しい笑顔に、受け止めてもらえると予感して、
心は勝手に喜びで震え出し、抑えることができなくなっていた

「しお?」

立ち止まった私に、礼も止まってこちらを見る

私は真っ赤な顔を俯いたまま、濃紺の手提げ袋を礼に差し出す

「礼、これ、私の気持ちです。受け取ってください!」

礼の手がぴくっと震えたのが、目の端に見えた

その手は一瞬だけ迷うようなそぶりを見せたが、やがてゆっくりとこちらに向かい、
紙袋を掴んだ

「ありがとう」

礼のやや硬い声が聞こえる

プレゼントを受け取ってもらえ、さらに勇気をもらった私は
勢いよく顔を上向けて、礼を見つめて、精いっぱいの気持ちを口にした


「好きです、礼。あなたのことが好き」