夏が残したテラス……
夏のはじめ
 ザッ、ザザー
 ザッ、ザザー


 小さな波が砂浜を何度も、行ったり来たりと音をたてる。


 次の瞬間、大きく変わった波の音に、沖の方へと目を向けた。


 黒い小さな人影が、サーフボードの上に立ち上がった瞬間、拳をギュッと握った。


 大きな波の上を、滑るように自由に動く。

 



 まるで、彼を照らすように朝日が眩しく水平線に光る。



 「綺麗……」 


 そんな言葉がふと口から漏れた。
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