ワケあり同士による華麗なる政略結婚
episode10


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結婚指輪が互いの指に嵌ってから2ヶ月がたった。


その間にも様々な出来事があった。







彼の仕事関係のパーティーに何度か出席する事があったが、一度も男性恐怖症の発作も起こらず無事〝妻〟としての役目を果たす事ができるようなった。

彼に守られていたのもそうだが、これには両家の両親も大層喜んでいた。







彼と出席するパーティーで大勢の人から視線を浴びる事に慣れると生活も一変した。


顔も上げられず異性を避けながら生活していたあの頃と違い、会社との行き帰りも楽しくなった。

足元ばかり見えていた外の景色も、顔を上げれば様々なモノが目に入る。







行き交う人や自然の綺麗な景色、それから立ち並ぶ様々な店。


それらは毎日新しい発見があって、仕事帰りは特にゆっくりと外の景色を眺めながら歩いた。





気になるお店があれば、立ち寄ることも出来るようになり毎日が充実していた。

勿論、男性が全く平気な訳ではないが過剰反応することはなくなり言葉を交わす事だって出来るようになった。










それもこれも全て彼のお陰だ。





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