仕事も恋も効率的に?
☆2人の始まり☆

★繋がる気持ち★

決意して、どう切り出すか少し考えてると。

『佐川さ...』
『...ん?』
『...戻らないとまずいです...。時間推してます...』
『.....む...。わかった』

やっと上から動いたイケメンは、何やらスマホをいじっている。

『佐川です。ちょっと本田が体調崩したので、休みながら戻ります。とりあえず、帰庁したらそのまま帰るので。...えぇ、大丈夫です。よろしくお願いします』

『これで文句ないだろ』
『.....なんと無茶な...』
『別に嘘じゃないだろ?つーわけだから、少し横になれ』
『な、大丈夫ですって。急げば間に合うし、、帰りましょう??』
『...無理すんなって言ってるのに、聞かねぇ奴だなぁ、まったく...』

ずいっと、さっきよりも身体を乗せるイケメン再来...。

『あんまり心配させないの...。心配で、オジサンおかしくなっちゃうだろ?』
『...何言ってるんですか、もう...。私は大丈夫ですって』

退けてくださいと言わんばかりに、あまり力が入っていない腕で押し返そうと必死だ。

押し返したつもりが、体ごと助手席側に移動され、完全に上に乗るコウさんに、頭がおかしくなりそう。

『ちょ、何して...』
『ゆー事聞かないお前が悪い』
『な、もう...』

ガクンっとシートがフルフラットに倒される。
『...っくりした...』
『...こんな時に...卑怯かもしんないけど...もう限界...』
『...え?』
『...好きだよ...』

上にいるコウさんが、更に体重をかける...。
ふっと重なった唇に熱がさらに上がる。
少しカサつく感覚の後、濡れた唇が何度も重なる。

『っなっ...はっ...』
『...』

喋るなと言うように、何度も何度も重ねられ、柔らかい舌が口の中に入り、優しく頭を抑えられる。
ちゅうと、音をさせ、名残惜しそうに少し離れる。
それでも唇に触れたまま...。

『抵抗できないの、わかってるけど...。我慢できなくなった...。好き...好きだよ?愛してる...。俺のモノになれ...』

ぐっとまた重さを増してのしかかられ、また重なる。
なにがなんだかわからないが、あまりにも心地よくて甘くて溶けそうな感覚。

熱で頭おかしくなってるのかもよくわからない。もう、よくわからない。
思わずコウさんの背中に手を回してしまう。


朦朧としてるだろうみち相手に、我慢とか、理性とかもなくなり、本能で体が動く。背中に回された手に、余計激しさをましてしまう。このままじゃキスじゃとまんねぇ...、ちょっとヤバい...。オスがガンガン反応して作業着が窮屈になる...。

『気づいてたと思うけど...ずっと好きだったんだからな。拒否はなしだかんな...』
『...な...で...?』
『あ?拒否したら、このまま連れ去って、俺しかいらないくらいにするだけだけど』
『...ぷっ 笑。なんですかそれ...笑』
『...あー、ったく...。もーちょっと色気のある所で告るつもりだったんだけど...』
『...でも...』
『ん?』
『佐川さん、彼女?っていうか、狭山さん...』

ぼーっとして、思ったことが出てしまい、ハッとする。

『?狭山さんがどした?俺がみちにアプローチしてるの応援してくれてるけど?』
『...えぇ?!!』
『え?やっぱりお前鈍いの...?俺がお前に惚れてるの、課内にバレっバレだ。...恥ずいけど...』
『...ひぇー?!!だって、昨日...告白してたじゃないですか...』
『...誰に??...』
『夕方...』
『...あーーーー、あれは、北川さんが...お前のこと見てるとか言うから、止めてて......、そこに狭山さん忘れ物取りに来て...、そのままお前の話してて...、お前が好きって...』

ぐるぐるぐると回る、自分が望む展開になるのが、現実なのか夢の中なのかわからなくなる。

『つか聞いてたのかよ...?これでわかったか?』
『......』
『...ん...まてよ?...お前、何しに戻ってたんだ?昨日。...もしかして、俺が狭山さんに告白したとか勘違いして、傘もささずにあの雨の中歩いたんじゃねーだろうな...』
『.........』

完全に読まれた動きに、冷や汗が流れる。

『バカ!あんな雨に当たったら風邪ひくに決まってんだろーが!まったく!...まぁ、...でも...俺のことが気になって、そうしたわけだよな...?』

ニヤッと意地悪な笑みを浮かべ、また近づかれる。

『いや...その...、えーと...』
『ん?なに?』
『...え、あの、えー...』
『好きだよ』
『...あ、の...、ちょっ...』
『...俺の事どう思ってる...?』

ちゅっと何度も重なる唇に酔う。
極上の顔に見つめられ、優しい瞳に思考が止まる。

『...好きです...』
『っ、...もっかい...』
『っ...、好きですよ...』
『.....はっ、良かった...』

力が抜けたように、大袈裟なほど安心している姿。あんなに自信満々で言ってるのに、なんだか可笑しくなる。

『...クスクス 笑。自信満々だったじゃないですか...?』
『...んなわけねーだろ...。そうでも振る舞わないとオジサンのハートは壊れそうだったの!』

ピンとおでこを弾かれ、安心した笑顔につららて笑う。

『大好きだよ。ずーっと、俺のでいろ...』

優しく抱きしめられ、また柔らかい感触が伝わる。

『このまま家に帰りたいとこだけど、公用車出しっぱもやばいし...。俺の息子もヤバいし、一旦戻るぞ』

さらっと、妙なことをストレートに言われ、また熱くなる。

『あ、それから、今日は俺と一緒に帰る。いーな?』
『...風邪うつるからダメです』
『何言ってんだよ、あんなにキスしたら同じだろ 笑。それとも、もっとしたら諦めてうちに来る?』

にっと、また意地悪な笑顔が近付く。

『うぅ...、お邪魔します...』
『よろしい』

結局、またキスを繰り返し、予定よりも推して帰庁する。
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