一期一会
9 特別
梅雨。
それは自転車通学の私には辛い季節。
今日、外は土砂降りの雨だ。
「雨、もうヤダ!」
「どうしたの、瑞季」
成実ちゃんが椅子に座りながら叫んだ私に問い掛けた。
「だって電車で来ると駅まで歩く時間と電車の乗り換えのせいで三十分はかかるんだよ……。自転車なら十分かかんないのにさ……」
私は成実ちゃんの隣の席に座りながらボヤく。
「良いね、私達なんてフツーに一時間かかるよ」
紘子ちゃんが溜め息交じりに言った。
「贅沢な悩みだよ。あぁ~…雨って気分まで憂鬱にさせるよね」
成実ちゃんは羨ましそうに言った。
軽い雨の日は自転車で来ているが、今日みたいに激しい雨の日に自転車は厳しいので電車で来ていた。
しかも梅雨のせいでグラウンドで朝練しているサッカー部は必然的に休みになるので眺められない。
私のテンションは日に日に下がっていく一方……。
ガラっ!
勢いよく前の扉が開く音が聞こえた。
誰かと思い振り返るとアツヒロ君。
もう鐘がなる時間かと思い時計を見たが、チャイムが鳴るまでにはまだまだあった。
「珍しいヤツが早く来た」
成実ちゃんがボソッと呟いた。
私も同じことを思った。
席替えをしてから気付いたんだれけど、アツヒロ君は早くて予鈴ギリギリ、普通でホームルーム中、遅いと一時間目とか二時間目の授業中の時もある。
何でこんな早くに居るんだろうとアツヒロ君の方へと目をやると、自分の席に着いたアツヒロ君は私を見ると何故か手招いて呼んできた。
それは自転車通学の私には辛い季節。
今日、外は土砂降りの雨だ。
「雨、もうヤダ!」
「どうしたの、瑞季」
成実ちゃんが椅子に座りながら叫んだ私に問い掛けた。
「だって電車で来ると駅まで歩く時間と電車の乗り換えのせいで三十分はかかるんだよ……。自転車なら十分かかんないのにさ……」
私は成実ちゃんの隣の席に座りながらボヤく。
「良いね、私達なんてフツーに一時間かかるよ」
紘子ちゃんが溜め息交じりに言った。
「贅沢な悩みだよ。あぁ~…雨って気分まで憂鬱にさせるよね」
成実ちゃんは羨ましそうに言った。
軽い雨の日は自転車で来ているが、今日みたいに激しい雨の日に自転車は厳しいので電車で来ていた。
しかも梅雨のせいでグラウンドで朝練しているサッカー部は必然的に休みになるので眺められない。
私のテンションは日に日に下がっていく一方……。
ガラっ!
勢いよく前の扉が開く音が聞こえた。
誰かと思い振り返るとアツヒロ君。
もう鐘がなる時間かと思い時計を見たが、チャイムが鳴るまでにはまだまだあった。
「珍しいヤツが早く来た」
成実ちゃんがボソッと呟いた。
私も同じことを思った。
席替えをしてから気付いたんだれけど、アツヒロ君は早くて予鈴ギリギリ、普通でホームルーム中、遅いと一時間目とか二時間目の授業中の時もある。
何でこんな早くに居るんだろうとアツヒロ君の方へと目をやると、自分の席に着いたアツヒロ君は私を見ると何故か手招いて呼んできた。