perverse
6 デート
突然の宙さんのプロポーズに戸惑う私

どうしてこういう展開になるのかわからない

返答に困り沈黙を続けている私に宙さんは言葉を続ける

「週末予定を明けてくれないかな?」
「-----えっ?」

今、プロポーズの理由を話してくれるのではないの?

突拍子のないことを言いだす宙さんに戸惑う私を見て、彼は悪戯にクスッと微笑む

「美波ちゃん、体調悪そうだし続きはその時・・・・」

次回に続くんですか?

まあ体調が悪いのは事実で時間も遅くなりそうだし、諦めるしかないのかな

残念って思う自分がいる

この気持ちって何かを期待している?

いろんなことを考えてみるけど、宙さんの本心はまだ見えていない

今日はずっと宙さんのペース

私のどこが良くてプロポーズしてくれているのか、いくら考えてもわからない

「わかりました。じゃあ土曜日で」
「了解!美波ちゃん、タクシーつかまる所まで歩ける?」

ここから駅まで徒歩で約5分。大丈夫。一人でも帰れる。

「電車で帰ります。大丈夫」
「時間も遅いし送らせてよ。遅くなったのでご両親にもお詫びしたいし」

時計を見ると10時を過ぎていた

「親は自宅にいません。だから大丈夫です。 父が単身赴任で、母もそれについて行ってて・・・」

宙さんは私の頭をポンポンと軽く叩き

「それならなお送って行かないと・・・・。 帰り道が心配だ」

そんな優しい言葉をかけられると、弱っている私はあなたに縋りたくなる

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