今日も今日とて、告りますのでご覚悟を。
5、その優しさ、勘違いしますよ


あずちゃん? まさか、そんな。

だって……。

『口が上手いのをいいことに人をその気にさせて弄んで、飽きたらポイ捨て。話が違うと迫ったら勘違いしているだの、そんなつもりはなかっただの、おまけにお腹の子は本当に俺の子かって』

『友達の話ですよ』

そう言ってたよね?

私、この話を聞いて最低だなって思ったけど、それがあずちゃんじゃなくて良かったって。その友達には悪いけど、ホッとしたんだよ。

なのに――――……。




「紗夜ちゃん? どうしたの、ぼーとして」

「あ、いえ、すみません」


午後からの仕事は、自分でも情けなく思うくらい散々だった。

集中しようとすればするほど、あずちゃんのことが気になって、今こうしている間にも彼女が悩んでいるのではないかと心配になる。

かといって、せっかくこうして大阪の本社まで来て仕事を教えて貰っているのだから、プライベートなことは頭の片隅に追いやらなくてはいけなくて。

そんな私に彩さんは「しっかりしなさいよ」と時々喝を入れながらも、フォローしてくれた。

優しくてカッコ良くて、憧れる。

逆立ちしたって彩さんみたいにはなれないけど、後輩のことを守れる先輩になりたい。

水瀬さんみたいに。

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