癒しの魔法使い~策士なインテリ眼鏡とツンデレ娘の攻防戦~
遥季と光琉は遠い親戚(はとこ)にあたる。

お互いの母が従姉妹同士で親友。

母達は、仲が良すぎて、結婚後に同じホームタウンに隣同士で家を購入した。

そのため、遙季と光琉は幼いときから兄妹のようにして育ったのだ。

小・中・高校は同じ学校に通っていたが、遙季が高校卒業後に県外へ出たため、その時から離れて過ごすことになった。

高校卒業後の光琉は、県内の国立M大学医学部に進学し、実家から通っていた。

遙季は高校1年生の秋までは、国立M大学を受験すると意気込んでいたのだが、最終的に県外のK大学を受験して周囲を驚かせた。

特に同じ大学に通うと思っていた光琉の動揺は大きく、遙季には光琉から引っ越しの前日まで問い詰められた思い出がある。

遙季は家族や光琉から離れて1人の環境に身を置いて、自分を試したかった。

おかげで、大学と大学院の6年間に遙季も随分逞しくなった。

心理学を学び、カウンセリング技術を身に付けていく中で、人見知りも克服しコミュニケーションスキルも身に付けた。

そして、卒業後。

ようやく恩人である鈴村先生と一緒に働き、少しでも恩返しができると思ったのに,,,。

何故か、この春、幼なじみのインテリ眼鏡、八代光琉が鈴村医療センターに就職してきたのである。
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