君と二人の201号室
拓海さんのカノジョ


「おはようございます、拓海さん!」

「あぁ、菜帆…。おはよう」



拓海さんはフニャッと笑う。

か、可愛い…!


拓海さんの彼女になってから数日が経ち…。



「起きた時、一番に大好きな人の顔が見られるって、すげー嬉しい。幸せ」



…今日も拓海さんは甘い、です。


私のときめきポイントをことごとく突いてくるよ!この人!

…ズルすぎる。


でもね、



「私も…幸せです」



毎朝そう思えるようになったんだ。

拓海さんがいるから。


恥ずかしいけど、少しずつ口にしてみようと思うんだ。

だって、拓海さんが嬉しそうな顔してくれるから。



「菜帆、可愛い。最高」

「なんでですか…。そんなんじゃないです…」



拓海さんは、時々…じゃないな、事あるごとに、私への褒め言葉をいくつか投げかけてくる。

…どう反応していいのかわからない。

慣れてないから。…というか、これからも慣れないと思う。



「いや、もう朝から拝みたい。本当に」

「拝む要素なんてどこにもないですよ…」

「ううん。もう本当に、存在自体が尊い」



あ、もう何言ってもダメだ…。

…壊れてる。


壊れてる(異常)、が通常運転の拓海さんは……今日も正常です。


…よかったよかった(?)


…こんな時間が好きだったりする私がいて…。

ただいま困惑中であります。




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