君が夢から覚めるまで
2.お揃いのピアス
「先生〜!吉井先生〜‼︎」
休みの日、フラフラと買い物していたら突然声を掛けられた。
振り返ると、怜が千切れんばかりに大きく手を振りながら駆け寄って来た。
「何?先生、ショッピング⁉︎」
「うん、まあ暇潰し、かな」
「いつもこの辺来てるの?」
「そうでもないけど、あんまり詳しくなくって」
怜の後を怜と同じぐらいの女の子がひょこひょこと付いて来て、怜の腕を絡め取った。
「怜君はデート?隅に置けないね」
香帆はその彼女と目が合い、軽く会釈するとなんだか睨まれたような気がした。
ーーーもしかして、ヤキモチ…⁉︎
「じゃあ、私はこれで」
「明日、うちに来る日だよね?楽しみにしてるから」
怜は無邪気に笑って手を振った。
香帆は彼女の視線が痛く、早々に退散した。
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