秘密の出産が発覚したら、クールな御曹司に赤ちゃんごと愛されています
23.安堵

「うわぁ……すごいお部屋。二人で泊まるには広すぎない?」
「二人きりで泊まれるなんて、この先もうないかもしれないだろ?」

 いたずらな笑みを浮かべて、私を奥の部屋へとエスコートする。

西洋風な部屋の中には、シャンデリアがぶら下がっていて、ソファやテーブルなどもアンティーク調で上品なデザインになっている。

 より奥にある寝室を覗くと、天蓋つきのキングサイズのベッドが見えた。

 それに反応して胸をざわつかせていると、くすっと笑った彼が包み込むように抱き締めてきた。

「今日は疲れただろ? 何もしないから緊張しないでいいよ」
「あ……えっと……」

 そわそわしていたから、緊張しているのがバレていたのかな。恥ずかしい……。

「それよりも、友里が無事で本当によかった」
「うん」

 いなくなってしまった私を心配して、手を尽くして探して見つけてくれた。

エランコミュニケーションズの社長に直訴して監視カメラの解析を行い、居場所を突き詰めたという。
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