秘密の出産が発覚したら、クールな御曹司に赤ちゃんごと愛されています

直樹は樹里の迎えを行ってくれて、それ以外のことも全て対応してくれた。

頼れる人が傍にいることが、こんなにも心強いなんて。直樹の存在が本当にありがたい。

 直樹の運転する車はマンションではなく、有名な高級ホテルへと入っていった。

「あの、っ……直樹……?」
「今日はあのマンションに帰るのは嫌だろう。とりあえずここで一泊して帰ろう」

 事件のあった場所に帰るのは可哀想だと、直樹は配慮をしてくれたらしい。
だけど二人でホテルなんて……緊張してしまう。

 今日はいろいろあったし、想像するようなことはないと思うけれど……。

 このホテルは前にも来たことがある。大学生のころ、初めて直樹と行ったホテルだ。あのときも今と同じようにドキドキしながら後ろについて行ったっけ。

 すでに手配をしてくれていたようで、フロントで鍵を受け取るとすぐに宿泊ルームフロアに向かう。そして直樹が案内してくれた部屋は、スウィートルームという広々とした豪華な部屋だった。
< 214 / 232 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop