バツイチ彼に告白したら、予想外に溺愛されて困惑しています。
◆キスされてしまいました。
紅林さんが私を呼ぶ。

「可憐、おいで。」

私は嬉しくてその大きな胸に飛び込む。
ぎゅっとしてくれるから、私もぎゅっとする。
あったかい。
ずっとこうしていたい。

ふ、と目を開けると目の前に紅林さんの顔があって、私は飛び起きた。

え、飛び起きた?
ここどこ?
なに?
どういうこと?
あれ?
さっきのは夢?
現実?

キョロキョロしていると「起きた?」と紅林さんが目を開ける。

「あ、あの…。」

「ここ?俺の家だよ。」

一度来たことがある紅林さんの家。
だけどここは見覚えがない部屋だ。
それもそのはず、私が今いるのはベッドの上だからだ。
前にお邪魔したのはリビングだから、ここは寝室なんだろう。
でも、なぜ…?

「その様子だと、昨日のこと覚えてない?」

そう言われて、必死に思い出してみる。
えーっとえーっと。
紅林さんを飲みに誘って、いっぱい聞きたいことあるのになかなか聞けなくて、やけ酒のように飲んでってとこまでは覚えている。
それからどうしたんだっけ?
お会計とか記憶ないし。

いや、それよりもこの状況は?
ベッドの上で紅林さんと二人。
っていうか、さっきまで完全に寝てたわけで。

記憶が無さすぎて何かやらかしたのではと、とたんに顔が青ざめた。
もう私は、ベッドから降りて土下座だ。
< 51 / 93 >

この作品をシェア

pagetop