偽りの甘い罠
天敵
翌日、早番だった私は幸せのベールを纏って出勤した

7時半から仕事を始めて、朝食の案内も笑顔でこなし、
フロントバッグへ戻るとそこにいた青柳が切り出す

「有村、今夜こそ付き合えよ」
「あのさ、朝一からそんな話?」
「うるせ。絶対すっぽかすなよ」
「はい、はい、行けばいいんでしょう」
「お前なー、俺に誘われたら誰もが頬を赤らめて
ふたつ返事で来るんだぞ。なのに、面倒くさそうな
顔しやがって。」
「じゃあ、その子たち誘えば?」
「俺に弱味を握られてるくせに、随分な態度だな」
「彼女のふりする条件は飲んだわ。それで五分なはずよ」

小声で話していても、語気が強まって喧嘩だと思った
八巻さんがクスクス笑いながら、やってきた

「相変わらず仲いいね。喧嘩するほど、、、って
言うしね」

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