本当に優しいのは、君でした。(短)
ーー泣かないのは、いけないこと?

泣かないのは、ダメ?

どうして、人は泣くの?

泣いたから優しいの?

私は、分からない。

悲しいけど



寂しいけど



もうあの幸せは返らないけどーー



「大丈夫、大丈夫。
私がいるよ」


私は妹達を抱きしめた。



父と母が眠るリビングは、色とりどりにライトアップされていた。

家族葬。


特別な人達だけの、家族葬にした。

いつも誰かしらがそばに居た二人には、似合わないかも知れない。

だけどーーたくさんの人に見送られたその後が嫌だった。


一人になりたくなかったーー。


「空、ありがとうっ」

側に居てくれてありがとう。

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