無気力なキミの独占欲が甘々すぎる。
波乱



「冬花!!いい加減にこれ着なさい!!」


「い、いやだ、無理!!」



わたしは今、樹里から逃げるために必死に教室を走り回っている。


なぜ逃げているかって、樹里がアリスの衣装を片手に持って、わたしを追い回してくるから。



今日は文化祭当日。


わたしは午前中に客引きのみをやればいいと言われていたんだけども。



「客引きはするけど、コスプレするなんて聞いてない!」


「はぁ?あんたまさかその地味なクラスTシャツで客引きするつもりなわけ?」



「そ、そのつもりですけど…!
だってお客さんがコスプレして写真撮るんじゃん!」



教室中にわたしと樹里の大きな声が響く。

そんな様子をクラスメイトたちみんな苦笑いしながら見ている。



「あのねぇ!何のために冬花を外に出すと思ってんの!」

「し、知らない!」



「客を捕まえてくるためでしょーが!
売上かかってんのよ!あんた可愛いんだからこれくらい我慢しなさい!」

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