無気力なキミの独占欲が甘々すぎる。



「……離れないでいてくれたら、
俺もずっと冬花のそばにいるから」



人から求められることを知らない自分にとって、夏向から必要とされる言葉を並べられれば、ころっと落ちてしまいそうになる自分が大嫌い。



こんな軽い言葉を鵜呑みにして、ただ都合のいい女として扱われることは目に見えていたはずなのに。



いつか、夏向の特別……いちばんそばに置いてくれて、わたしだけを求めてくれると思ったから。



結局、夏向の思惑通り。


片足だけ突っ込んでいた状態から、完全に落ちた……。

< 64 / 335 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop