偽物の恋をきみにあげる【完】
部屋の窓から見えるせっかくの夜景を楽しむ間もなく、キングサイズのふかふかなベッドの上で、私は大雅に抱かれた。

大雅とのセックスはいつでも、とてつもなく甘くて、最高に気持ちいい。

「……瑠奈……瑠奈……」

私を貫きながら、大雅は掠れた声で、私の名前を何度も呼んだ。

「ああっ……あっ、あっ……」

大雅に名前を呼ばれる度に、私のカラダは悦んで、馬鹿みたいに感度が上がる。

「大雅っ……お願い………キス……して……」

快楽の渦に飲まれてしまう前に、私は彼に口を塞いでもらうのだ。

言ってははいけない一言を、言ってしまわないように。

「───っ!」

蕩けそうな口付けがカラダを痺れさせ、私がすぐに達してしまうと、大雅は私に「可愛い」と囁いた。

いつも大雅は可愛いと言ってくれるけれど、私が本当に欲しい言葉はそれじゃない。

でもそんな言葉はなくても、あなたに抱かれればいつだって、私は呆れるほど幸せなのだ。


大雅、ずっと私の傍にいて。

偽物の恋でいいから。


「…………好きだよ」


初めて見る大雅の寝顔が愛し過ぎて、私は思わずそう呟いた──。


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