グリーンピアト物語~地底の皇女と地上の皇子~
第1章 赤い瞳

 グリーンピアト。

 季節は春から夏に変わる頃。

 新緑が広がり、日差しも暑くなってきた今日この頃。


 グリンピアト城。

 現在は国王ティミスと王妃ジュリアルが国を治めている。



 2人の間に産まれた第一皇子アディールは15歳になった。


 ジュリアルとそっくりな、パッチリした目に緑色の瞳、鼻の形と口元はティミスと似ていて、スッと高い鼻に優しい口元。


 とっても優しい男の子に成長している。



 そして・・・


 アディールと一緒に、6歳の女の子がいる。

 名前はパティーナと言う。

 
 パティーナはティミスとジュリアルの子供ではなく、ジュリアルの弟マロンディスの子供である。


 マロンディスは29歳になり、23歳の時に貴族令嬢ディアンナと結婚した。

 その翌年には第一皇女のパティーナが誕生した。


 マロンディスの結婚は授かり婚で、結婚が決まったときはディアンナのお腹には子供がいたのだ。


 王家の結婚は授かり婚が多いと、国民達には喜ばれながらも言われている。



 ずっと別荘にいたマロンディスだが、そろそろ王位を継いでもらいたいという話が出たため、お城に戻ってきていた。


 ティミスの手伝いをしながら、公務にも一緒に出掛けているマロンディス。


 軽やかなブロンドのショートヘヤーに、ほっそりした輪郭。

 前髪が目にかかるくらいの長さだが、クールな目元にマッチしている。

 筋の通った高い鼻がとても素敵で、学生時代はかなりモテていたマロンディス。


 ディアンナとは学生の頃からの交際であると、言われている。
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