ロスト・ラブ



「えぇーっ、告白しちゃった!?」

「シーッ!胡桃、声が大きい!」


大声を上げた胡桃の口を、咄嗟にバッと塞いだ。


今日は日曜日。そしてここは、私の部屋。

元から今日お茶することを予定していたのをいいことに、私は胡桃から質問攻めにされていた。


「で?で?柳くんはなんて?」


目の前で瞳をキラキラとさせながら尋ねてくる胡桃は、私の心境とは裏腹に楽しそう。


私は、それどころじゃないのに。


「何も……というか、誤魔化して逃げた」

「え!?」


そう、あの日。


咄嗟に言うつもりもない告白をしてしまった後で我に返った私は。

『や、あの、幼馴染として……っ!今まで嫌いって言い続けてきたから、改めて!みたいな……?』


あはは、なんて笑って誤魔化して、そのまま颯太の腕の中から振り切って、走って先に家に逃げ帰ったんだ。


「あ~、それでここしばらく2人の様子が変だったのかぁ」


ジュースの入ったコップに口をつけながら、胡桃は苦笑する。


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