ロスト・ラブ

この約1週間、颯太とは少し気まずい。


と言っても別に会話をしないわけでもないし、今まで通り一緒に登下校したりはしてるけど。


「なーんか2人よそよそしかったよね。特に茜ちゃん」

「う……」


胡桃にも目に見えてわかるように、明らかに私は挙動不審だったと思う。


颯太も颯太で、あの日の発言について何か言ってくることもない。


それはそれで少し寂しいとか思ってしまう私は、いったい颯太とどうなりたいんだろう。


「でもさ、茜ちゃん。1個だけいい？」

「ど、どうぞ」

「多分だけど、その告白、誤魔化せてないんじゃないかな……？」


またもや苦笑した胡桃に、「ですよね」としか言いようがない。


あからさまではないものの、あんなに動揺して避けてたら明らかに不自然だ。


本当に幼馴染としての好きを告げたんだとしたら、ここまで挙動不審にはならない、はず。