クールな御曹司と愛され新妻契約
第二章 焦がれる彼と偽りの七日間
意図せず冷泉様と契約結婚をすることになった私は、『こんなことをしてしまって良いのだろうか』と緊張や不安でドキドキしながら、冷泉様が取り決めた契約書に震える手でサインをした。

婚約者としての設定も冷泉様が提案してくれたお陰ですんなり決まったものの、その内容が
『健気に働く私に冷泉様が次第に惹かれていきアプローチ。二年前から両親や会社には秘密で付き合っている』
という現実とはかけ離れたものだったので、両親だけでなく周囲に早々にバレやしないか、いささか心配してしまう。

とりあえず、両親に会う週末までの七日間は、私が冷泉様の担当の日にデートをして、偽装婚約の関係を出来るだけ本物らしくする、ということになっている。


それにしても……冷泉様はなぜ、こんなに良くしてくださるんだろう。

きっと私という契約相手がいなくても、彼なら素敵な人生が送れるはずなのに。

……やっぱり、女性から恋愛感情を持たれるということが、よほどトラウマなのだろうか。
だとしたら、私の抱いている感情にはできるだけ早く蓋をしないと。
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