俺の恋人曰く、幸せな家庭は優しさと思いやりでできている「下」
俺の妻はいつまでも美しい
痛い……。苦しくて、上手に息ができない……。

私が目を開けると、目の前には心配げなリーバスの顔。私の名前を、ひたすら呼び続けている。

心配しないで。大丈夫だよ。

そう言いたいけど、口は動かない。私はただ微笑むしかできないの。

私の頰に温かい何かが触れる。とてもきれいで、とても優しい雨ーーーリーバスの涙。

リーバスの涙なんて、今まで見たことがない。泣かないで。大好きだよ。

言葉は伝えることができず、泣き続けるリーバスを抱きしめることもできない。体は重くて言うことを聞かない。

リーバスに言わなきゃ。「傷つけてごめんね」って言わなきゃ。リーバスは私を抱きしめてくれたんだから…。

でも、ごめんね。それすらも無理みたい…。

私の意識は、暗い闇に飲み込まれていった。



「クリスタル!クリスタル!」

俺は意識を失ったクリスタルの脈を測る。まだ息はある。

傷口を俺の手でしっかりと押さえる。しかし、クリスタルの体を流れる血は止まらない。このままでは危険だとリーのように医者ではないが、そう感じた。
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